この日は、昨日機械で落とせなかった茅を落とすのと(道に面していない部分)、馬屋の部分から構造材を取っていった。
平成15年 会津 夏の古民家解体の学校 3
8月5日(火):
これは馬屋の2階部分。
こういうふうに、手作業で茅を落としていく。
下で拾い集めて、かなり大変な作業。
この日の予定どおりいきました。
本職プロカメラマン小林氏撮影。
8月6日(水):
この日の予定は、屋根部分の材をはずずこと。
また、この日から、神奈川の方から、建築を学んでいる学生女性2人組が"解体の学校"に参加。
しかし、この日は、茅を積んだ場所から、苦情が来て、それを整理するのに、半日かかった。
かなりの重労働だった。
土台部分の納まり。
根太(床板をささえる材)のすき間が、床下換気口の代わりをしている。
"さ首(す)"に縄でとめられているや屋中を、鎌で切っていく小林さん。
この後さ首にロープをかけて、将棋倒しで倒そうとしていたが、いきなりさ首が倒れた。
下から見ていて、小林さんが下敷きに!と思ったが、小林さんはうまく逃げていて、事故には至らなかった。
さ首が手前に倒れて来ていても、上に乗っていた2人がケガをしていたかも。
事故がなくて良かった。
さ首が倒れた後の屋根の状態。かなりすっきりした。
そんなに規模の大きい家ではないが、見よ!この使われている材の太いこと。
会津では古民家に、地元で採れる"ヒメコ松"という材が、梁や柱に使われている。木目が美しく、硬い材である。
この家は、土台には杉が使われていた。土台には杉を使うことが多いそうだ。
古民家は、釘やかすがいなど金物はほとんど使われない。柱にほぞ穴を開けて、梁にほぞを作って通して、こみ栓といわれるくさびの
様なもので止めているだけだ。今の金物でガチガチに固めている在来工法の家とは大違いである。
また、筋交いも全く使われていない。貫といわれる材を、横方向に通して、くさびで固定しているだけである。
以前、宮大工の棟梁の本(松浦昭次著"宮大工千年の「手と技」"祥伝社)を読んだ時、「木造はあまりガチガチに固めると
良くない。木はしなるのだから、柳の様にゆれを吸収する
ように作ってやるのが一番丈夫になる。」というような事を書いておられた。今の家が25年くらいの寿命というのもうなづける話で
ある。
この日の予定はここまで。それにしても、事故がなくて良かった。
番外編:
お世話になっていた地元のWさんの家の近くでも、古民家の解体が行われていました。
ここは入札制で、小林さんも参加したらしいけど、地元の解体業者が落札したとのこと。
規模は、今回解体している河原田邸より、ずっと大っきいが、見よ。この痛々しい姿。
ほとんど機械で解体してしまうと、早くできるだろうが、材にとってはよくないだろう。